英語で丁寧な表現をしたいときのルールやコツ 日本語の敬語との違いは

ビジネス

「英語の敬語ってなんですか?」

よく聞く質問ですね。

たしかに、日本語の場合、相手が年上の時と年下の時では明らかに言い回しが違いますが、英語の場合はあまり変わらないとはいえます。

例えば、日本語では、年上の人に何かわからないものを聞く時には

「これはなんですか?」と言いますね。

「これはなに?」とは聞きませんよね。

これが英語の場合は、年上だろうが年下だろうが、

”What is this?” 

だけで基本OKです。

「じゃあ、やっぱり英語には敬語はないんだ」と思った人は、ちょっと待ってください。

敬語=相手を敬う表現、丁寧な表現という意味であれば、日常の生活のいたるところで話されています。

日本語のように「言う」⇒「おっしゃる」というような言葉そのものとしての「敬語」や、「来る」⇒「来られる」というように尊敬の助動詞があるというのではなく、相手を敬うあるいは思いやる「丁寧な表現」がたくさんありますし、これは日常も良く使われます。

例えば、仕事で初めて会う相手には丁寧に話すことが必要です。

そうでなければ教養のないい奴、失礼な奴と思われてしまいます

つまり、英語を話す人たちにとっては、そういった丁寧な表現をしなければいけない状況が少ないだけで、丁寧な表現は必要なのです。

英語で丁寧に表現する時のルールやコツについてご紹介します。

 

丁寧な英語の第1のルールはちゃんとした文章にすること

まず、何か伝えたいことを丁寧に言う時に、英語での第1のルールは「文章にする」ということです。

自分の上司から「君はどこの出身なの?」と聞かれた時に、「東京。」とは言いませんよね。
普通は「東京です。」あるいは「東京出身です。」と言いますよね。(ちなみに日本語は主語を省略することが多いのが特徴ですので、「私は東京出身です」とはあまり言いません。)

このように単語だけではなく、できるだけ文章に近い形で答えると思います。英語の敬語(丁寧な表現)にはまずこの感覚が大切です。

たとえばあなたが、アメリカで取引先の上席の人と会食をしているとしましょう。
まだそれほど親しくなっていない相手だとします。
そのアメリカ人が、あなたの好きな日本食を尋ねたとします。
”What is your favorite Japanese food?” 「あなたの好きな日本食はなんですか?」
これに対してあなたはどう答えるのが適当でしょうか?

A. “Sushi”
「寿司」
B. “I like Sushi.”
「私は寿司が好きです。」

正解はBです。
単語だけではなく、ちゃんとした文章にして答えることで、相手に対して敬意を払っているという気持ちが伝わる丁寧な表現になります。

ですから、相手が同年代や友人であれば
”Sushi”
とだけ答えても問題ありません。

 

文章にしても丁寧にならない時もある

文章にすれば丁寧な表現になるといいましたが、同じ文章でも丁寧さの伝わるものとそうでないものがあります。

ではまず、日本でレストランに入った時のことを考えてみましょう。
水が欲しい時にお店の人になんていうでしょう?

「お水ください」
ですね。

「水くれ」
とは言いませんね。

英語でも同じです。

“Give me water.” とは言いません。
Could I have some water? などとていねいな表現を使います。

 

でも、レストランではなくマックだったらどうでしょう?
カウンターで「ビッグマックとコーラ」としか言わないですよね。
英語でもそうです
”BigMac and Coke.
でOKです。

アメリカなどでは会社で上司をファーストネームで呼んだり、日本に比べてずいぶん雑な言葉遣いをしている印象がありますね。

確かに日本に比べればそうですが、やはり英語の場合ででも相手や状況によって適切な表現を使うことはとても大切です。

 

丁寧な文章を作るために

何かを頼む時の表現
丁寧な表現をしなければならないシチュエーションとして大事なのは、人にものを頼むときですね。
ほぼどんな状況でも使えるのが

”Would you + 動詞?”
”Could you + 動詞?”

です。

たとえば食事中に、テーブルにあるコショウに手が届かないときに隣の人に取ってくれるように頼むときは
“Would (Could)you pass me the pepper?
「そのコショウを取ってもらえませんか?」
これにpleaseを付けるとさらに丁寧になります。
“Would you please pass me the pepper?”

逆にもう少し丁寧さのレベルを下げた表現としては
”Can you +動詞?”
があります。
”Can you pass me the pepper?”
友人など親しい関係であればこれでじゅうぶんです。

 

命令形でも丁寧な表現?

アメリカ人の友人などと話しているとこんな会話がよく聞かれます。
“Pass me the pepper, please. “
このまま日本語に訳すと
「コショウを取れ。お願い。」

これは丁寧な表現なのでしょうか?
「Passは動詞だよね。動詞から始まっているからこれは”命令形”だ。命令しているからこんなのは使っちゃいけないのでは・・・」
と考えがちです。

日本では学校で動詞から始まる文章は『命令形」と習うので、こうなってしまいます。
しかし、命令形は命令する時にはもちろん使いますが、日常親しい間柄で何かをしてほしい時にもしょっちゅう使います。どうも「命令形」という名前がいけないのだと思います。

海外で得意先のマネージャーのオフィスに案内され、ドアの所に立っていると、こう言われます
“Hi, Ichiro. Come in. Have a seat.”
直訳すると
やあイチロウ。入れ。椅子に腰掛けろ。
となってしまいます。

もしイチロウさんがなにかとんでもないミスをしてマネージャーがカンカンに怒っているような場合の日本語訳としては正しいかもしれません。

そうでない普通の状況であれば、実際のニュアンスとしては
「やあイチロウさん。どうぞ入ってください。椅子にかけてください。」
という感じなります。

ややこしいと思うかもしれませんが、表情や声のトーンで判断するというのは日本語でも同じです。
命令形でも丁寧な表現にもなるということは覚えておいてください。

 

丁寧に話すには文章を長くする

単語より文章にした方が丁寧な表現になるといいましたがこれも国によって少し温度差があるのも事実です。
イギリスとアメリカでは丁寧さのレベルがずいぶん違います。
簡単にいえばイギリスの方がより長い文章でややまどろっこしい表現をするのに対し、アメリカでは直截的な表現をすると言っていいと思います。

アメリカ人とイギリス人の表現の違いを表す冗談があります。
道路に穴が空いていてそこに落ちてしまいました。さあ、道路を歩いている人に助けを求めないといけません。
アメリカ人の場合
”Hey, give me your hand!”
「おい、手を貸してくれ!」

イギリス人の場合
“Hello, would you mind if you give me your hand?”
「ちょっと、もし良かったら手を貸してください」

文章を長くする方が丁寧となるのは、世界各国どこでも共通ですが、アメリカより、イギリスの方がより文章が長くなる傾向があります。これは英語の問題というより、国民性の問題と言えるでしょう。さすが、紳士淑女の国ですね。

これに関連して、日本人にとってアメリカ英語とイギリス英語どちらの方が分かりやすいのか?という議論があります。
アメリカ英語の方がわかりやすいという人と、イギリス英語の方がわかりやすいという人がいて、意見は二分されているようです。
学校で習う英語はのスペリングや発音はアメリカ英語をベースにしているので、アメリカ英語の方がわかりやすいという人が多いようです。
一方、イギリス英語のほうが分かりやすいという人は、このようにちゃんとした文章にして、丁寧に言ってくれるから分かりやすいと感じているようです。

 

日本人によくある丁寧な表現の間違い

たとえば、夏電車に乗っていて、空調が悪く、室内が暑いとしましょう。あなたは窓を開けたいのですが、隣に座っている人は暑く感じていないかもしれないので、隣の人に断ってから空けますよね。日本語では何と言いますか?
「窓、開けてもいいですか?」ですね。
では英語では何というでしょう。

よくある間違い
“Can I open the window?”
というものです。

これを聞くと外人は「私はこの窓を開けられますか? だって? 子供でもないし、そりゃ開けられるでしょ!」と思います。

正しくは、というか良く使われるのが、
”Would (Do) you mind if I open the window?”
直訳すると「私が窓を開けると気になりますか?いやですか?」
つまり、「窓を開けても構いませんか?」
となります。

この
“Would you mind if I + 動詞 + 目的語”
は、人にものを頼んだり、許可を求めたりする際に大変便利な表現です。
覚えて、積極的に使ってみましょう。

 

最後に

英語の場合、というか母国語として英語が使われている国々では日本に比べて上下関係が希薄ですので、日本のように「一個下なんだ」とか「おない(同じ)じゃん」とかいう感覚はありません。
通常は年齢の上下は関係なく、たとえば職場で働いている上司以外の人はみんな同僚として平等ですので、年齢の上下によって丁寧かそうでないかというようなことは心配しなくても大丈夫です。
日本人の感覚からすると常に「ぞんざい」です。
ですから、ちょっとだけ丁寧に言えばそれで日本語の感覚からいえば「敬語」になってしまうのです。

日本語でもガチガチの敬語ではなく、丁寧な表現というのは人間関係を作っていくのに大切ですよね。
英語でも同じです。
ちゃんと相手に敬意を払う丁寧な表現も意識して使ってみましょう。
外人があなたを見る目が変わること請け合いです。

こういった丁寧な表現の学習にオンライン英会話

ご紹介した丁寧な表現を学習する時に効果的なのは、実際に口に出して表現してみることです。

でも日本国内では英語を使う機会はなかなかありません。

そんな時に効果的なのはオンライン英会話スクールです。

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