課長から突然「今度ニューヨーク支社のアメリカ人が出張してくるみたいだから、いつ来るかとどこに泊まるか聞いといてねヨロシク!」
なんて言われてしばらく固まったという経験はありませんか?
Google翻訳を駆使して何時間もかかってやっと仕上げて先輩に見せたら、「なんだこれ!?」と言われて超へこんだ、という人もいるでしょう。
英語でのビジネスメールは難しいのでしょうか?
そんなことはありません。
英語のビジネスメールには決まりきった型や、よく使われる表現があるので、実はやさしいのです。
その型を覚えて、それに合わせて書いていく練習をすれば、すぐにすらすら書けるようになります。
英語のビジネスメールの基本の型はこうなってます。
1. タイトル
2. 相手の名前=呼びかけ
3. 本文
3.1書き出し
3.2 メールの目的
3.3添付ファイルがある時
3.5最後に使う表現
4. 結びの表現
4.1 最後の一言
4.2 「敬具」や「早々」にあたる表現
5. 自分の名前
この順番にこれだけは覚えたい表現をご紹介します。
1 タイトルの書き方
英語のメール全般に言えることですが、とにかくできるだけ簡潔に、余計なことは書かないのが原則です。
「来月の東京出張について」というようなタイトルを
「ついて」という言葉も含めて全部英語にして
2 相手の名前:英語メールの最初、なんて呼びかけたらいいの?
日本語のメールだと
社外の場合は
△○□株式会社
調達部
山田部長様
社内では
営業企画部
田中課長殿
というのが普通ですね。
取引先で相当親しくなっても会社名と部署や部長、課長といった相手の役職を書くのが一般的です。
社内の人とのやりとりでも部署名と役職を書く場合が多いのではないでしょうか?
英語の場合はこんな面倒なことはしません。
初めてのメールでもない限り会社名や部署名は書きません。
さすがに名前は書くのですが、ラストネームなのかファーストネームでいいのか、Mrなど称号はつけるかどうか、など悩ましいですね。
相手とどれくらい親しいかによって少しずつ変わってきます。
丁寧な順にいうと次のようになります。
Dear Mr. David Smith
Dear Mr. Smith
Dear Smith san
Dear David san
Dear David
Hi, David san
David san
Hi, David
David
英語には日本語のような敬語はありませんが、基本的に長い文章で言うほうがていねいなので、上から順に段々とフレンドリーになっています。
何か変な単語があるって気がつきませんでしたか?
はいそうです。“san”です。
これはもちろん日本語の‘“〇〇さん”のことです。
ちょっと意外かもしれませんが、これはかなり世界的に浸透しています。
ネイティブの人でも日本人にメールを書く時に親しみを込めて
Dear Yamada san
などと書く人は大変多くなっています。
First name にするかLast nameにするかと言うのもちょっと悩ましいですね。
でも相手が欧米人であれば数回やりとりをすればもう完全にFirst nameでOKです。
特にアメリカ人であれば2回目からFirst name で問題ありません。
いつまでもLast nameを続けていると、相手は「なんだこの日本人はいつまでたってもよそよそしいな」と思われる可能性もあります。
絶対に「この人はていねいないい人だ」なんて思ってはくれません。
でも、さすがに年上だし呼び捨ては気がひけるという場合は積極的に“san”でいきましょう!
Dear David san または David san
これで決まりです!
3 本文の書き方
相手の名前を書いたら次は本文です。
肝心の用件を書く前に書くことがありますし、文章の最後にも書く決まり文句もあります。
順番に紹介します。
3.1 書き出しはどうやって始める?
これも日本人と外国人で大きく異なる点です。
日本語の場合必ず書くのが
「いつも大変お世話になっております」
そしてちょっと改まった相手には
「暑い日が続いていますが、鈴木様におかれましてはお元気でお過ごしでしょうか。」
などとかきますね。
英語のビジネスメールの場合これらはサッパリ忘れましょう。
ときどきGoogle翻訳とかでそのまま訳のわからない英語にしている人を見かけますが、これで先方が「この人はていねいでいい人だなあ」などと思ってくれることは絶対にありません。
むしろ「何が言いたいの?早く本題に入ってくれ!」と苛立たせるだけです。
ビジネスにおける英語でははあまり余計なことを書かないのが基本ですが、
しばらく連絡をしていなかった相手にメールを書くような時、いきなり用件を書くのはちょっと失礼なようにも思いますね。
そこで、よく使われる表現としては
I hope you are doing well.
「元気にやってることを望みます=お元気にお過ごしのことと存じます」
というのがあります。
もちろんこれでも十分なのですが、ちょっと気の利いた表現があるのでシェアしましょう。
ネイティブからのメールでよく見るのは
という表現です。
trust=信じる find=見つける
直訳すると
「このメールであなたが元気でいることがわかると信じています。」
となりますので、
「お元気でお過ごしのことと存じます」
という意味になります。
メールが相手が元気かどうかを見つける(find)するなんて日本語の発想では絶対にありませんね。
逆に言うとすごく英語らしい表現だといえますし、なんとなくかっこよくないですか?
応用編としては
trust のかわりにhope=希望する を使ったり、doing good=元気でやってる というようなフレーズに変えたりすることもできます。
早速明日から使ってみましょう!!
3.2 メールの目的を伝えよう
最初にメールの目的を伝えると、相手は何についてのメールかがわかり、心の準備ができます。
そんな時は次のように始めます。
I am writing this e-mail to 〜〜.
「私は〜〜をするためにメールを書いています。」
冒頭のように、来日するアメリカ人のスケジュールを確認するためにメールする場合は、
confirm=確認する
「私はあなたの日本でのスケジュールを確認したくてメールしています」
となります。
または、相手からの質問に答えたり、リクエストに応えることを明確に伝えるために、
「〇〇についてですが」
という文章で始めたいこともありますね。
こんな場合に最適な表現があります。
それは
Regarding 〜,
というものです。
これは友達相手のメールから、ちょっと正式なメールまで、いろいろなシチュエーションで使える便利な表現ですので、必ず覚えておきましょう。
ただし、Regardingの後にはいきなり名詞が来ることに注意してください。
なんとなくof や to を挟みたくなるかもしれませんが、決してやってはいけません。
「パーツの発送に関してですが、」
となります。
また「〇〇に関して」の英語表現にはこの他にも
With regard to
With respect to
As for
などがありますが、一番簡潔でどんな場合でも使える
Regardingが最強です。これだけ覚えて早速明日から使ってみましょう。
3.3 添付ファイルがある時なんて書けばいいの?
地図や書類などを添付することも多いですね。
添付の仕方がわかっても、メールの文中にどう書いておけばいいのかちょっと悩みますね。
これも決まり文句があります。
「添付のファイルを見てください。」
ファイルでなく写真なら picture、地図ならmapです。
Please find the file attached.
「添付されたファイルを見て下さい。」
というようにattachedという単語が最後にくることもあります。
4. 文章の最後につかう結びの表現
4.1 最後の一言に便利な表現
メールの最後もどうやって終わらせたらいいのか悩みますよね。
日本語のメールであれば、正式な手紙に倣って、
「寒い日が続きますご自愛ください」
とか、親しい相手なら
「また近いうちにご連絡します」
と言って結んだりします。
英語のメールでも何か書かないとなんだか落ち着きませんね。
「相手の質問にちゃんと答えられたかどうか確認したい。」
というような時に便利な表現がいくつかあります。
また、自分が書いたことが伝わったかどうかや、相手の意見が知りたくて、返事をもらいたい時に覚えておくと便利なのが次のフレーズです。
早速使ってみてください。
4.2 「敬具」や「早々」にあたる表現は?
メールの本当の最後になんと書くか?
日本語の手紙なら「敬具」や「早々」、女性なら「かしこ」という言葉で結びますね。
しかし、これらの表現は手紙では使いますが、日本語のeメールでは使いませんね。
Eメールの場合は「よろしくお願いします」
という文章で終わることも多いと思います。
英語のビジネスメールの場合はどうでしょうか?
英語のビジネスメールの場合は必ず結びの言葉を書きます。
が一般的です。
同僚や親しい相手には
“Thanks”
だけも親近感を出せていいですね。
ビジネスのメールでは使うことは少ないのですが、非常に親しい友人とのメールでは次のようなものもあります。
Love
日本語で「愛」
これは男性の友人同士でも使います。
日本人だと男同士で気持ち悪いのですが……
使います。
x
xは“kiss”のことです。
日本語で言えば「チュッ」という感じです。
xx であれば“kiss kiss”
xxx という具合に三つのこともあります。
基本恋人同士か女性同士しか使いませんが、それでも日頃からキスをする習慣のない日本人にはちょっと抵抗がありますね。
ビジネスのメールでは積極的に使う必要はありませんが、もしどこかで見かけたら思い出してください。
5.自分の名前
そしてメールの本当の最後に自分の名前を書きます。
取引先などとのメールのやりとりでは、こちらの住所や電話などの連絡先を含めた署名をかくこともあります。電子メールのソフトによってはあらかじめ署名を記憶させておいてそれをワンクリックで貼り付けられるものもあります。
同じ会社の同僚やなんどもやりとりをしている相手なら自分の名前だけでOKです。
日本人でも、外国人にもわかりやすいようにと外国人の名前をつけたり、自分の名前を簡単にもじってつかう人も多いです。
例えば
純二さんなら
JunやJimmy
誠さんなら
Mac
苗字でもできます。
富岡さんなら
Tommy
特に決まりがあるわけではないので、自分が呼ばれた時に心地良いものを決めてしまいましょう。
この名前が外国人のあいだでこの名前が浸透してきたら、会社に頼んで名刺の裏の英語の部分にはこのニックネームを印刷してもらいましょう。
次からメールなどでやりとりする時に簡単です。
まとめ
英語でのメールには決まった型があること、わかっていただけましたか?
このパターンに沿ってメールを書いてみてください。今までよりもずっと自信を持って書けるようになること請け合いです。
まとめて書くとこんな感じになります。
Your visit to Tokyo
Dear David,
I hope this mail finds you well.
Regarding your business trip to Tokyo next month, my boss Tanaka san just asked me when you are coming and where you are staying in Tokyo.
He would like to have dinner with you during* your stay in Tokyo.
Please let me know your flight schedule* and the hotel you are staying, when you finalize* your itinerary*.
I am looking forward to hearing from you soon.
Best regards,
Tommy Tomioka
注*) during: 〜の間に flight schedule: 飛行機の時間 finalized:確定させる
itinerary: 旅程、日程
Davidさん
お元気ですか?
来月の東京出張に関して、私の上司の田中さんがあなたの飛行機とホテルを聞いてきました。
田中さんは、あなたが東京にいる間に夕食をご一緒したいとのことです。
スケジュールがかたまり次第、飛行機の時間と宿泊先を教えてください。
お返事お待ちしています。
よろしくお願いします。
Tommy 富岡
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